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Microsoft Research@シアトルでのインターンから帰ってきました。コネ・社会経験ナシの情報系大学院生が、腕一本で「世界で一番アツい会社」に就職するまでの記録

Archive for the ‘大学’ Category

最終週になって、出張などで週の終わりには出かけている人などと、たぶんこれで会うの最後だから、と言って別れの挨拶をしていたりすると、あぁついにインターンも終わるんだと実感する。ドキュメントやコードの整理をはじめ、やることは依然として山積みなので、ゆっくり感傷に浸っている暇もない。論文提出後の最後の2~3週間ぐらいは夜は早めにアパートに帰ろう思ってたものの、結局提出前とあんまり変わらない時間に帰宅していたりする。

最後の週末に、ルームメイトのAlexと別れの時がきた。彼は自分より1週間遅くインターンを始めたが、自分が2週間休みを取ったため結局1週間早く終わることになる。ヨーロッパに行ったときなど、きっと連絡することにして再会を約束しながら見送る。アパート全体を自由に使えるのは良いのだけど、この巨大なアパートに一人というのはどこか寂しい気もする。そして(ありがた迷惑だが)冷蔵庫に大量に食材を残して行ったのでそれを処理したり。最初に出て行く方は気楽なもんだ。でもBraunschweigerとか初めて食べたけどけっこうウマい。

Teriyaki

どうでもいいことだけど、シアトル周辺には妙に「Teriyaki」レストランが多い。ランチで一緒に行くメンバーも行く先のカフェテリアもだいたい決まっているのだけど、最終週のある日、時間も遅いし、道の向こうに警察が立っていてヘタに道路を横断できないということで、MSのキャンパスの南のはずれにあるTeriyaki店へ。アメリカでは、肉に醤油ベースで日本風の味付けがしてある料理ならなんでも「テリヤキ」である。なのでスーパーに行くと「テリヤキ・ソース」やら「テリヤキ・ビーフジャーキー」などの変テコな食べ物が売ってる。「本当はテリヤキていうのは調理法を差す言葉で・・・」ってちゃんと説明してみる。「確かに日本に行った時もテリヤキなんて名前の料理は無かったな」とBob談。そりゃそーだ。

同じアメリカでも、前に行ったカリフォルニアと比べてみると、地域によって店などの分布がけっこう違って面白い。シアトルのダウンタウンでは、「ほぼ1ブロックに1つずつスタバがある」「スタバの店内から隣のスタバが見える」というのは有名な話で、誇張が入ってるがあながち嘘でも無いのだけど、逆にアメリカで定番のWalmartを1度も見なかったのは不思議だ。誰かが「スタバの密度とWalmartの密度は反比例するんだよ」と冗談で言ってた気がする。一方でQFCというスーパーマーケットがけっこうたくさんあって、あまりに多いので地元の人はてっきり全米展開してるもんだと思ってるそうな。一つの地域だけ見て「全米」に一般化してしまうのはちょっと危険だ。

最終日

最終日には、ちょっとしたお別れパーティーを兼ねて、会議室を予約して日本茶を飲みながらダベるお茶会みたいなものをhisamiさんが企画してくれる。今回のインターンでは、正式なFinal Presentationをやってない(プロジェクトについて小出しに話す機会がたくさんあったし、そのせいもあって周りの人はだいたい何やってるか知ってる)のでこのような機会はありがたい。MSRでは、その月の最終金曜日には「Wine Down」というイベントがあって、1階のロビーで無料の食事とワインが提供されるので、月の最終金曜日の午後3時頃からはもう仕事する雰囲気ではない(一方かわいそうなインターン達はワインを横目で必死にデバッグしてたりしてるが・・・)。そのせいもあってけっこうお茶会にも人が来てくれてちょっと嬉しい。

会の終わりに、みんなで写真を撮るのはどう?と提案してみたら、あっさりとOKだそうで、MSRの建物の階段のところで並んで記念写真。このあたり、会社の中で写真を撮ることはもってのほか、カメラを持ち込むことさえ気軽にできないGoogleとはえらい違いである。

お茶会の後は、コードやドキュメントの最終確認。帰国した後はコードを見ることすらできなくなるので、プロジェクトの今後のためにもここでしっかりやっておくのが重要。合間をぬって、お世話になった人に挨拶しに行ったり、逆にオフィスまで挨拶に来たりしてくれる人も。最後には、自分とおなじオフィス(インターン用の4人部屋)で仲良くしていたSaraとJasonにお別れをする。オフィスの4人、インターンの後半では、昼休みの時間をスケジューラでブロックしてまで一緒にランチに行ってたぐらい仲良かったので名残惜しい。境遇も似てるので色んな話を一緒にしたものだが、きっとどこかの学会で会えるはずなので(直近ではEMNLP08)、お互いに今後の健闘を祈りつつオフィスを後にする。

隠し部屋

その後はhisamiさんに食事に連れて行ってもらった後アパートへ。色々と借りていたものもあったので、自分が新たに買ったもモノも含めてごっそりとお返しする。MSRのインターンに代々伝わる和食キットについては、ここで前にも書いたしmamoru-kさんのブログでも何度か登場していたが、それにさらにドライブ地図セットやら自転車用の空気入れ+ヘルメットやら色々なものが加わり、キットの規模がさらに増している。そのまま来年のインターンに残してくれるそうなので、こういう日用品の調達にあまり悩まされずに研究に没頭できるのはうらやましいかも・・・。

アパートのガレージに車を入れている時に、奥に見慣れないドアがあるのをHisamiさんが発見する。開けてみるとなんとそこにはもう一つの見知らぬ部屋が。こちらは入り口とは逆の通りに面した部屋で、これもこの巨大なアパートの一部らしい。というかAlexと二人で3ヶ月間住んでて誰もこの「隠し部屋」の存在に気付かなかったのはかなりマヌケな話ではあるが、それにしてもこのアパートの広さはやはり尋常じゃない。通りに面しているのでこの部屋をちょっとしたオフィスに改造して商売でも始められそうな感じ。帰国後焦ってAlexに報告することにする。

出国

最終日の次の日にはもう出国の日である。今回取得したJ1ビザでは、プログラム終了後も1ヶ月以内ならアメリカ国内に残って観光などができるが、日本時間の次の月曜に間に合うためには、やはりアメリカ時間で土曜のうちに出発しておきたかったのだ。

帰りはEstrellaがアパートから空港まで送ってくれる。彼女は最初はチューターとして、craigslistで適当に見つけて時間いくらで英語の練習に付き合ってもらってたのだが、話も合ってだいぶ仲良くなったので、後半は英語の練習関係ナシにランチに行ったりディナーに誘ってくれたりしてたのだった。帰国後もコンスタントに週1でSkypeで話したりして、間違いなく今回のインターンにおけるキーパーソンの一人である。最後にお互いともに少しウルっと来てしまうような別れって、人生で何度もあるものでもない。

(ちなみに彼女、ESLの経験豊かだしとても良い先生なので、英会話力の向上などでもし困ってて興味がある方がいたら言ってくれれば紹介します)

結局、荷物を別便で日本に送るのが面倒だったので、不要なものをけっこう捨てたり人にあげたりした割にはチェックイン荷物がとんでもない量になる。スーツケースも大きかったのであっさりと重量オーバー、”Very Heavy”のタグをつけられて50ドルの追加料金を徴収される。シアトルの気候が予測できなくて服が大量になったのが最大の敗因なので、インターンに来るときはファッションについては多少目をつぶらないといけないと思った。

帰国後

帰国1週間後、研究室でのミーティングでさっそく「MSRインターン報告」と題してプロジェクトの内容をプレゼンする。最初から最後まで通して説明するのは初めてだし、スライドも全部書き下ろしである。ずっと英語で考えてきたプロジェクトを日本語で説明するのはけっこう骨が折れるが、遅かれ早かれ必要になるので訳語をウンウン考える。

今回のプロジェクトは研究ネタとしては「狭く深い」というよりは「広く浅い」話なので、例をたくさん交えながら、モデルの難しいところも数式をなるべく出さずにさらっと流す(数式を著書に1つ加えるたびに売り上げが半減する、と言ったのはスティーブン・ホーキングだったか)。対象が日本語だし例が身近なので、研究室の皆さんも楽しんでくれてたようでよかった。この話、今度9月の第3回NLP若手の会でさっそく発表する(採択通知をいただいた)ので、また濃ゆい議論ができるのが楽しみである。

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  • 人工知能学会全国大会

    6/9~11は人工知能学会全国大会の併設ワークショップJURISIN 2008
    で発表するために旭川へ。こんなお話をしてきました。

    このJURISIN 2008、Juris Informatics(法情報学)のワークショップなんだけど、ヨーロッパに既にあるJurix
    に対抗(?)してアジア圏でも同様のことをやりましょう、という趣旨で始められたそうな。EACLとIJCNLPの関係に近いかな? 自分ら以外の参加者は法律の専門家と人工知能の論理とか推論とかやってる人が多くて発表のほとんどがちんぷんかんぷん。発表スライドの2枚目から論理式の羅列がずーーーっと続くような発表ばかりで、もうおなかいっぱい。(でもM浦先生のInvitedはむちゃくちゃ面白かったけど。)

    それでも、外国人の参加者とか、ちゃんと発表を理解して適切な質疑・コメントをしている(少なくともそう見える)ようですごい。そんな話をお昼にM浦先生とかK田先生とかとしていたら、やっぱりいくら論理系の話であっても、論文のように論理式を羅列するのは良くない!ということ。「こんなフレームワークを作りました」「こういう証明をしました」って言っても、「それが何の役に立つのか」「そのキモはどこなのか」が理解されなければ意味がないので、発表なんて背景・目的をしっかり言った後で、思いっきり単純化したキモのモデルの式をばーんと出してそれで終わりで良い。それをふまえて自分の発表を見直して見ると、ちょっと詳細を語りすぎたかも。そのせいで時間もなくなってしまったわけだし、目的とキモを伝えた後で「NLP使えるよ!」ってアピールして終わりぐらいで良かったかな。

    ちなみにつぎのJurixはイタリアのフィレンチェで開催なので激しく行きたい。Florenceってフィレンチェのことだったのか、初めて知った。Viennaとウイーンもそうだし、英語は何でも変な発音で読んでしまうのは勘弁してほしい。そして次のJURISINは高松で、こちらもうどんを食べに激しく行きたい。でもせっかく国際会議なんだから、もっとメジャーな場所でやったほうが良いのでは??

    今回北海道初体験だったんだけど、一時帰国中で時間も無いので、旭川ラーメンを食べたりちょっと人に会ったりしただけで帰ってくる。本会議ではエクスカージョン(?)で旭山動物園に行くらしいけど、なんかあんまりうらやましくないな・・・。旭川なのにけっこう暑かったのはちょっと意外。会議室にエアコンが付いてなくて、あまりに暑いので窓全開で会議をやっていて、外の騒音とかが丸聞こえなのには参った。

    不幸

    旭川出張が終わってからは実家に帰ってたんだけど、身近な人に不幸があったので、実家にも近かったし葬儀に行ってくる。MSRインターンの時も、家族に不幸があって祖国に帰ってる人がいたのだが、こういうことは続く(というか、続いた時の印象が強い)もんだなぁと思う。その後は大学に顔を出して、先生や後輩と話したり、ACLのスライドを作ったり、溜まっていたペーパーワーク(というか出張関係の書類)を片付ける。今回あまりにイレギュラーな出張が多くて、先生にはご迷惑をおかけっぱなしである。感謝感謝。

    時差ボケ解消テクニック

    週末は友人TとかNと会ってぶらぶらしたりメシ食べたりしながら、そのまま宅飲み。インターンに行ってる間にHDDレコーダに撮り溜めた爆笑レッドカーペット(8週間ぶんぐらいある)をひたすら鑑賞して腹筋を鍛える会、みたいな感じになる。楽しすぎるのでインターンの後半が終わった後にもまたやりたい。飛行機出発は早いし、荷造りはしてないし、出発前夜にこんなことしてていいのかという感じだけど、時差ボケを直す基本は、1.長時間起きてて体内時計を狂わせてから、2.疲れ果てて現地時間の夜に寝てしまう、ことだと信じてやまないのでOK。この1.を実践する最適な方法が、出発前夜に夜通し飲むこと。思えばGoogleインターンの最終日もそんな感じだった。

    前にMSの日本人社員の人たちと話していたとき時差ボケ解消の話になったのだけど、だいたいこの基本というのは同じらしい。他に時差ボケにならないために自分が実践していることは、飛行機に乗った瞬間(もっと言えば、出発地の空港にいる瞬間)から現地時間で行動するというもので、飛行機の中で現地が夜ならお酒を飲んで無理矢理寝てしまい、現地が昼ならコーヒーを頼みまくって無理矢理起きていると良い感じ。

    最近、飛行機に乗る回数がやたらと多い(2週間で9回乗る)ので、ノイズキャンセル・ヘッドフォンのBOSEのQuietComfort 3を栄のアップルストアで購入する。値段が値段だけに消音性能は素晴らしいものがあって、愛用している耳栓サイレンシアと組み合わせるとほぼ無音状態を作り出すことができる。むしろあまりに周囲の音が聞こえなさすぎて使う場面によっては逆に危ないぐらい。このおかげで行きの飛行機の中ではかなり快適に眠ることができた。

    一点、ヘッドフォンとしての音質はそんなに高くないのが残念なところ。純粋に静かなところで音楽を楽しむのなら、これまでiPod Touchと一緒に使ってたAKGのK324Pのほうがはるかに良い。このイヤフォン、密閉性が高いし、低音の再現性・ソリッド感がすごくて、これまで使ったイヤフォンの中でもコストパフォーマンスは高いと思う。ある程度の騒音だったらこのイヤフォンだけでほぼ十分である。

    オハイオに到着

    日曜のうちにACL 2008に参加するためにコロンバス@オハイオ州に到着。もともと中部国際空港→成田→デトロイト→コロンバスで飛行機を2回乗り継ぐ予定だったのが、成田→デトロイト便が混んでいるということで、なぜか中部国際空港→デトロイトの直行便になった。なぜ初めにこの便が最適便として出てこなかったのかがよく分からないが、デトロイト→コロンバスの便は変更無しなので結局あんまり得した気がしない。でもデトロイトのメトロポリタン空港は広いし、空港内にメトロが走ってるし、噴水やら鳥の放し飼いやらいろんな仕掛けがあって退屈しない。横に4列しかない30人乗りぐらいの小型機に乗ってデトロイトから1時間ほどでコロンバスへ。

    ホテルに着いた後、コンビニのような売店を探すために周囲をふらふらしていると、ちょうどACLのWelcome Receptionが終わったようで、Reception会場から帰ってくるMSRの知ってる人何人かに会う。会場のOhio Statehouse(ギリシャ神殿のような造りである)まで行ってみると、会場から閉め出された参加者が集まってダベっている。適当に話しかけて状況などを聞いていたけど、知ってる人はもういなかったのでそのまま帰ってくる。ホテルのフロントが教えてくれた売店などに行ってみるも、日曜の夜遅くなのでことごとく閉まっているためおとなしく退散。レストランもけっこう閉まっていて、コロンバス街中にも人がほとんどいない。なんだか人工的なゴーストタウンのようで少し違和感がある。

    時差ボケ解消テクニックのおかげで、着いた日にもかかわらず完璧なタイミングで就寝+起床することができた。発表が初日なのでちょっと心配していたがこれなら大丈夫そう。続きはまた来週!

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  • 飛行機、飛行機、飛行機

    ついにMSRのインターンへ向けて出発まであと1日となってしまった。先週J1ビザが下りて、スタンプ付きパスポートが届いたので、急いでスキャンして送って航空券(NGO→NRT→SEA)とアパートを手配してもらう。航空券発券が昨日(本当はもっと早くに予約完了してたのだが、最初に送ってきた予約が1日間違ってた)、アパート予約完了が今日というかなり滑り込みなスケジュール。心臓に悪いよ。

    昔デルタ航空に勤めてたという知人に会って色々と話を聞く。Portlandによく行っていたそうだが、Portlandの入国審査は非常に厳しいことで悪名高かったらしく、しかもそこの入管職員は毎日シアトルから来ていたようなので、Sea-Tacの職員も同じだとしたら入国審査は心してかかれ、との助言をいただく。今はどうなんだろうか。Microsoftの「印籠」をかざせば何とかなるとは思うけど(笑)。ビザ面接も、ほとんど顔パスならぬ会社名パスみたいなものだったし。

    今回はインターンの途中で2週間の中休みをもらって、一度帰国した後ACLに行くことになる。中休みに国内のワークショップ(@旭川)に出るので、直前にあわてないようACLに行くための航空券も予約しておく。いつもお世話になっている、大学生協の旅行カウンターの凄腕おばさん(失礼)もいつもは発着地と日を伝えるだけで瞬時に最適便を検索してくれるのだが、Port Columbus Int’l Airport(空港コードCMH)という見慣れない空港に今回ばかりはちょっと苦戦しているよう。

    結局、最も待ち時間の少なくて安いNorthwestのNGO→NRT→DTW→CMHに決定する。アメリカの航空会社はAAとUnitedに乗ったことがあるが、Northwestは初めて。別名Northworstと揶揄されるように評判悪いが、はたしてどうなんだろうか。この中休み中は、2週間で乗り換え含めて8回ぐらい飛行機に乗ることになる。もう何十回乗った今でも、いまだに乗るたびにわくわくしてしまう飛行機好きの自分だが、さすがにげんなりしてしまいそう。

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  • 昨日はACLのStudent Research Workshopのカメラレディを提出する。今回は本質的な改変はナシ(そもそも時間的にも6ページという分量的にも無理)で突っ込みのあった実験の部分だけ、パラメータ設定を見直して走らせ直す。無謀にも機械学習にかなり寄った話なので、査読者に実験設定について色々言われてしまったのだが、それだけでかなり糧になった感じ。SRWで良かった。

    提出したPDFでもここでコソーリ公開したかったのだが、あれだけあからさまにCopyright Transfer Formを書かされるとやっぱりやめといたほうがいいかな、と思う。しょうがなく個人ページのほうにエントリを追加するだけにしておく。

    そういえば、Googleのプログラマの給料についてのエントリを最近ちらほら見かける。

    Googleのプログラマの給料 | (仮)秋元@約束だゾ!!アッキー!!

    具体的な金額については、まぁそんなものかな、と思う一方で、だから何?という感じも否めない。Googleに行って分かったことの一つは、というか行く前からそもそも分かれよ、という話なのだが、一言にGoogleのプログラマといっても、たとえ肩書きが同じでもピンからキリまでいるということ。自分がインターンに行った2年前ですらそう感じたのだから、今ならもっと「能力のdiversity」は増えてる気がする。このエントリに載ってる数字が、最大値なのか最小値なのか平均なのか中央値かは定かではないが(というかそのいずれでも無い気がするが)、それに応じて給料のdiversityも大きいと仮定すればこの数字はほとんど意味がないんじゃないか。あくまで1つのケースとして楽しむに留めておきたい。

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  • COLINGに原稿を提出してほっとしたのもつかの間、人工知能学会全国大会の付属ワークショップJURISIN 2008


    http://www.ntt.dis.titech.ac.jp/jurisin2008/

    に出すための実験と原稿書きにとりかかる。なにせインターン出発前のこの忙しい時期で、もともと出すのはあんまり乗り気じゃなかったのだが、研究室の先生が委員で、「法律情報学+統計的自然言語処理」で一発殴り込みをかけたいという想いから、締め切りがExtendされてから!5日間で、アルゴリズム考えて実験やって論文出すという急行スケジュールで滑り込む。おかげでまた週末が一つ研究で潰れてしまった・・。

    内容は、分かち書きされてない、長い日本語文書(今回は法律文書)から特定の意味カテゴリに属する単語群をブートストラップ的に獲得するにはどうしたら良いか?という話。具体的には、研究室で公開している法令翻訳用の標準対訳辞書に載せるような重要語を自動的に獲得するタスク。一部の重要語は既に分かっているので、それを種にしてブートストラップ的に増やしていきましょう、というアイデアに基づいている。

    アルゴリズムは基本的にEspressoTchaiに基づいていて、文脈パターンの作り方とreliabilityの計算のしかたがカギ。内容的には小粒な話なんだけど性能がものすごく良いので、法律情報処理の分野に殴り込みをかける目的としては十分だったと思う。日本の法律は、書かれている文体の定型性が非常に強く(というか、法制執務にかかわる人は、法律を書く際に過去の法律を参照して同じ定型表現を用いて書くように厳しく教育されるらしい)、自然言語処理技術がかなり適用しやすく、かつ良い結果が得られやすい傾向にある。なかなか面白い応用分野だと思う。

    そういえば弾さんが、前ブログでプログラムを書くよりも文書を書くほうが頭を使う、とかいうことをちらっと書いていた気がするが、全く同感。プログラムは、調子に乗って一日に数百行~千数百行でも書けてしまうが、文章というのはなぜか時間に対して線形の量しか書けないんだよな。

    自分が文書(この場合、英語論文に限るが)を書くスピードというのはこれまでの経験上、驚くほど均一的で、予想可能で、そして遅い。その平均スピードというのが、ACLの2段組フォーマットでぴったり1ページ/日で、だいたい国際学会は最大8ページぐらいが相場なので、締め切りの1週間前にはスタイルファイルをダウンロードして書き始めないと大変なことになる。もちろん、実験を進めたり、足らないデータを補足したりしながら書くので完全に一定ではないが、平均すると限りなくこのスピードに近い。今回のはLNCSのフォーマットだから1ページの分量がかなり少ないとは言え、10ページを4日ぐらいで書いたのでかなりはぁはぁな感じだった。文章書きは得意だし嫌いじゃないけど、プログラムとはまた別の頭の部分を使うので、筆が進まないときは一向に進まないし、書いた後の疲労感も文章のほうが圧倒的に強い。もっと会話をするようにすらすらと文章を書ける人になりたいものである。

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  • 九十九式: [blog] 「です・ます」と「だ・である」と、ブログに向くのはどっち?
    http://type99.net/2005/07/blog_21.html

    自分がブログの更新をなかなか気軽にできないのは、自分がO型で「空気を読みすぎる」性格に加え、ブログを敬体(ようするにです・ます調)で書いてるから、というような気がひしひしとしてきたので今日から常体(だ・である調)に変えてみる。実際ブログ頻繁に更新してる人は常体使ってるほうが多い気がする。独り言のように気軽に書けるからだと思うけど、このあたり誰か統計取ってくれないかな。データさえあれば自然言語処理やってる人なら1時間もあればできる仕事だと思う。

    昔友人と、俗に言うアルファブロガー(笑)の人たちの記事の投稿頻度や文体・文字種の特徴、リンク数などの統計情報を取って公開したらおもしろい(純粋にデータとして面白いし、アルファブロガーに近づきたい人の参考になる)んじゃないかというアイデアを話し合ったことがあるが、常体・敬体って一番簡単に把握できる文体の特徴なのでぜひとも統計取ってみたい。来年うちの研究室に入って来る人がこういうことに興味を持ってくれれば良いのだけれども、なぜかうちの研究室ではこういうミーハー(?)なことをやる人がいない。もうすこし詰めれば修士レベルなら十分研究になると思うのだけど、先生が指導しにくいからだろうか。

    ACL、今回は2本出して1勝1敗だった。とはいっても、通ったのは本会議じゃなくてSRW(Student Research Workshop)のほうなので全然威張れるもんでもない。SRWは5人(!)のレビューワーから徹底的に批評・コメントをもらえるので、もし通らなかったとしても出してコメントもらうだけでも有用かも。コメントの質も高いし、レビューワー間の言ってることや点数のバラツキが異様に低いのはびっくりした(つまりinter-reviewer agreementがものすごく高い。評価の信頼性が高い証拠)。出せるのは学生のうちなので、博士課程の人とか、新しい研究ネタに対してコミュニティからの高品質なフィードバックが欲しい人とかはぜひ出してみてはどうでしょう。

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  • 論文査読の回答書の作成

    先日、論文の査読が返ってきたので、その回答書を書く作業をちまちまとやっていました。初めて回答書を書くときって、内容的なことは良いとして、全体的にどのようなフォーマットで、どのような文体で書くかっていうのがよく分かららずに困惑するものですよね。こればっかりは、研究室内で先輩→後輩もしくは教官→学生というようにノウハウが語り継がれているのでしょうか。(自分も、最初はフォーマットおよび文体含めて先生にチェックしてもらってました) もちろん、分野や論文誌によって慣例が大きく違って難しんでしょうが、ググっても、ふつうのビジネス文書みたいにテンプレートすら出てこないです。もしこの論文が通ったら骨格の部分だけ公開してみようかな。

    おまけ:

    Addressing Reviewer Comments
    http://www.phdcomics.com/comics/archive.php?comicid=581

    「困った査読コメントへの回答のガイドライン」から拙訳。


    査読者のコメント:
    筆者の提案した手法(装置、パラダイム)には、明確な誤りがあります。

    良くない回答:
    はい、知っています。それでも何とかして論文にできると思っていまいた。すみません。

    良い回答:
    興味深いご指摘ありがとうございます。しかしながら、本研究の焦点は性能で
    はなく予備的な調査であり、有効性の検証については本論文の貢献に対して決
    定的な重要性を持つとは言えません。

    以前、マレーシア人の友人に教えてもらったマンガ、PHD (Piled Higher & Deeper)に今回の話にドンピシャなネタがあったのでネタで紹介しました。このマンガ、アメリカの大学院生の日常を描いたもので、作者 Jorge Cham はスタンフォードのOBらしい。大学院生の日常なんて、どこの国でも大して違いは無い無いようで、読んでると「あるあ・・・あるあるw」ってウケること間違い無しです。日本ではあまり知られていないようだけど(これまで知ってる人に出会ったことがない)、それは読者層が狭すぎるからなんでしょうか。

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  • 研究室紹介

    昨日は研究室紹介なるイベントがありました。

    学部3年生が各研究室をまわっていき、それに対して各研究室は、自分の研究室で取り組んでいる研究の紹介や、研究室の良いところなどをアピールするというもので、ようするに企業展の研究室版?みたいなものです。(でも全部で15個ぐらいある研究室に1日で全部まわってかなり疲れるので、ほとんどの学部3年生はこんなイベントどうでもいいから早く帰りたい、と思っている点で異なってる)

    とりあえずウチは研究室の日常生活の紹介をさらっとして無難に研究紹介。こんなスライド lab_intro-2008-mine.ppt を使ってやってました(宣伝になるし、公開してもいいよな・・・。)毎年使い回してるようで実は去年のとはけっこう差分があったりします。研究も1年でずいぶんと進みますからね。

    よく思うのだけれども、こういうふうに「話がわからない人に対してその研究のおもしろさや意義をいかに伝えるか」って難しいけど重要な能力だと思います。専門外の友達とかに「どんなことやってんの?」って聞かれたときに、(a)相手に引かれずに、(b)わかりやすく、しかも(c)「すごいことやってる感」を演出しつつ話すのってかなり難しい・・・。(ちょうど研究を始めた頃、付き合ってた子に研究内容のことについて聞かれて、「えっと、まず単語を約1万次元の実ベクトル空間上で表現するんだよ!」と順番に説明してドン引きさせた過去を思い出しますw)1日中見学に回って疲れが溜まって、いつ何時うたた寝を始めるかわからない3年生の眠気をバシーンとさますような話ができてればいいんですけどね。

    この研究室紹介のような「ツカミトーク」の対局にあるのが、論文執筆。話のおもしろさより内容の詳細さや厳密さが必要とされる。学会発表はさながらそのちょうど中間といったところでしょうか。ツカミは大事だよ、というお話でした。

    しかし、1日に15個も研究室を回るような過酷な環境?で研究室を見学しても、実際に研究室選びの参考になってるんだろうか、という点でかなり疑問です。研究室選びは、簡単なように見えて、その後の一生に影響を与えてしまうインパクトを持っているので(すくなくとも自分の場合はそうでした。良い意味でも悪い意味でも。選択自体は後悔していないんだけれども。)、研究職を目指していたり、たとえそうでなかったとしても、自分の将来を少しでもまじめに考えたいという学生は、研究室を直接訪問することをお勧めしますよ。

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  • 先週、国際学会でインドのハイデラバードに行ってきて、日本人の英語の学習に欠けている、とても大事な要素を改めて認識した気がしました。

    それは、「不潔な英語」に強くなろう、ということです。

    この「不潔な英語」というのは、なにも “shit” や “F-word” のことではなく、日本の受験英語のような、「理想の条件で話される綺麗な英語」の対局にある概念です。

    例えば、大学入試では、「”might as well”を使った短い文を英作文せよ」みたいな問題が出て、それを10分も20分もかけてウーンウーンと考えて解くわけですが、実際に英語を使う時になると、そういった要求はむしろまれで、周りがうるさかったり、向こうの英語の訛りがすさまじかったり、アメリカ人によく分からない phrasal verb を連発されたりするという、理想とはほど遠い条件下で、いかにこちらの要求・意図を的確に伝えるかという能力がカギとなってくるわけです。

    (そういう意味で、国際線の飛行機の中で、添乗員とやりとりする会話っていうのは、こういう不潔な英語に慣れる良い練習だと日頃から思ってます。当然のように周りはうるさいし、添乗員が綺麗な英語をしゃべってくれるとは限らないし、変なメニューが出てきたら、それは何かを聞いて即座に判断する必要がありますから。まぁ、たいがい、”orange juice”と”chicken”だけ話せればやり過ごせるとは思いますが・・・。)

    英語が国際語として広く使われるようになるにつれ、海外行ったときに現地の人と話したり、「非ネイティブ」と英語を使う機会が増大していると思います。自分が、これまで英語を使ってきた相手のネイティブ:非ネイティブ比は2:8ぐらいで、英語圏で生活するようにならない限りはこの比はそんなに変わらないように思います。そうすると、不潔な英語に立ち向かう必要性というのは増えることはあっても減ることは決して無いのではないでしょう。

    言葉は悪いです、インドはこの「不潔な英語」にどっぷりと浸れるいい機会だと思いました。インド人の英語は、ネイティブにすら「分からない!」と言われるほどですからね(苦笑

    (ちなみに、現地でヒンディー語の入門書を買って、基本的な部分を練習していたら、英語のインド訛りの由来らしきもの分かって、少し聞き取りが楽になりました。ヒンディー語には、例えば”t”や”d”の発音に、硬口蓋音(舌を丸めて天井に付ける音)のバリエーションがあって、英語などの外来語はそちらに対応付けされるらしいです。さらに、”r”音はすべてはじき音。そうすると、例えば”doctor”が「ドクター」じゃなくて「ダークタル」という感じになる。どうりで全体的に巻き舌音っぽくなってると思った。)

    では、不潔に強くなるためには、どうしたらいいの?というお話。いきなり「不潔に強くなる!」っていって、インドのような不潔英語のかたまりのような場所に突然身を投じても、せいぜいおなかを壊して(ひどい目にあって)泣きを見るのがオチだと思います。

    不潔な英語に強くなるためには、やっぱり「基礎体力」だと思う。

    基本的なことがしっかりと身について、理想的な環境では何の問題も無く会話できる基礎力。

    少しぐらい長い文や早口にも耐えられるスピードとスタミナ。

    文法や単語、状況が少しぐらい逸脱しても対応できるタフさと柔軟さ。

    学校のお勉強で身につくのは、せいぜい一番上の「基礎力」だけです。スピードとスタミナ、タフさと柔軟さは、膨大な量の基礎トレーニングをこなして初めて身につくんですよね。

    そういう意味では、語学っていうのは「お勉強」ではなく、スポーツの訓練や楽器の習得、ダイエットなどに非常に似たもの、だと常日頃から思っているのですが、あんまり同意してくれる人がいなさそうです・・・。

    ちなみに、この「不潔な英語に強くなる」という考えかた、このエントリで渡辺千賀さんの書いている「不潔に強くなる」という考え方と非常に似ていると思っています。このエントリでは、じゃあ具体的にどうしたら良いの?という点には触れてられてはいませんが。

    On Off and Beyond: 不潔に強い人間になるという強い覚悟
    http://www.chikawatanabe.com/blog/2005/09/post_1.html

    コメント欄より。「不潔に弱くては、楽しい冒険に満ちた自由な人生が送れない」

    激しく同意。

    あんまり関係ないけど、現地でインド人と話をしているとき、こっちが何かをお願いしたり、何かを質問するときに、眉間にシワを寄せて首を横に振る仕草をされることにびっくりしました。その仕草は、日本で言うといかにも「いやいや何言ってんだよコイツ」と言わんばかりのもので、それをこっちがまだ話し終えてないときにされるので、ちょっと変なこと言ったか?と心配になってしまいます。

    実はこのジェズチャー、インドではどうやら「そうだね」「まったく問題ないね」という意味を表すジェズチャーらしい、というのがだんだん分かってきました。初めてこのジェスチャーを見たのが、確かホテルで荷物運びか何かを頼んだ時だったので、ああ、今のは“No problem.”の意味でやったんだな、と勝ってに解釈して、結果的には問題なかったんですけどね。

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  • 先週まで、インドのハイデラバードで開かれた国際学会IJCNLPに行っていました。ハイデラバードの観光とかグルメとか自爆テロ(?)とかについては他の人もいろいろと言ってたり書いてたりするのであえて触れません。

    今回は、就職活動における国際学会の活用について書きます。今回のIJCNLP、Opening Sessionで松本先生がおっしゃってたアナウンスによると、

    - 応募件数270ぐらい
    - 採択数67ぐらい
    - オーラル採択率25%ぐらい ポスター入れると49%ぐらい
    - 一番多いのが日本からの発表 42件
    - 次が中国 21件
    - 次アメリカ、11件
    - 次インド、数覚えてない

    という参加状況で、日本人率の非常に高い学会でした。ちなみに上の数字は自分の記憶だけがベースですので、正確でない可能性があります。(ACLみたいにスライドで出してほしかった・・・。)

    自分は、「学会(特に国際学会)に行ったら、最低でも5人は新しい知り合いを作る」を常日頃から目標としていて、これまでコンスタントに達成できているのですが、今回はそれも初日に早々と達成してしまい、そこからは芋づる式、実りの多い学会だったと思います(いつも学会で遠巻きに顔を見かける方々とか、その筋では有名なブックマークでお世話になっている方などなど。ありがとうございます。)また、自然言語処理コミュニティーの方々に、「自分はどういう分野のどういうレベルの研究をやっているか」ということを示すことができたのも大きいです(これはもちろん良くも悪くも働くのですが)。

    また、今回ひしひしと感じたのが、自分は就職マーケット(job market)に出ているという実感。良い意味での緊張感。出会う人・人に「就職どうするんですか?」と聞かれる。その度に「ほんと、どうするんでしょうね?w」なんて他人事のような返事をしておく。もちょい具体的にお話しても良いんですが、例えば「アカデミック職には興味がありません!」なんて言っちゃって、可能性を狭めたく無いので・・・。

    特に博士の就職については、正直コネが強いという点はやっぱり否定できません。指導教官の先生に相談しても「そのうちに、突然あっさりと決まったりするもんだよ」となんだか身も蓋もないアドバイスをいただいたりするのですが、その「突然あっさり」という不確定な事象の確率を少しでも高め、幅を広げるためにもこういう種まき的な活動は必要不可欠だなぁと思います。

    まさに、Chance favors the prepared mind. ですね。

    研究や英語など、学会の他の側面についてはまた別の機会に書きます。

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