Monthly Archives: July 2007

ニーズは情報技術に先行しない – 芸術的プロダクションに必要なもの

たまには論調風の記事でも。 私の知る限り、研究者がコンピュータを構想する以前にSFに書かれた類似の機械は存在しないし、研究者がインターネットを構想する以前にSFに書かれた類似の機構は存在しない。つまり、情報技術に関してはニーズが先行したことがないと言える。携帯電話の普及も好例だ。 SNS然り、近年のサービス系Webサイトも例に漏れないと思いました。 上記は、中島秀之「通信する情報と処理する情報」 『情報処理』2007年5月号からの引用です。なんとなく読んでた雑誌の一記事だったんですが、自分が最近悶々と考えたり感じてたことを上手く明文化してくれていたので引用しました。 最近思うのは、Webサービスを作ることっていうのは、「映画を作ること」にかなり似ているんじゃないかなぁということです。人によっては「何を当たり前のこと」と思うかもしれません。好きな人は「ゲームを作ること」に置き換えてもいい。こっちのほうが直接的に分かりやすいかも。様々な異なる技術を持った人々の共同作業・創発行為の上に成り立つこと、市場の「流行」はあるものの「ニーズ」が先行しないこと、明文化できない作り手の「センス」にかなり依存するということ、がその理由です。 橋本大也氏の唱える「芸術的プロダクション」もこの考えにかなり近いものがあります。 【CNET Japan Innovation Conference 2006 Autumn】「Web 2.0とは何か」を探るパネルディスカッション http://bb.watch.impress.co.jp/cda/event/15556.html 氏の言葉を引用すると、 YouTubeにせよmixiにせよ、誰かが欲しいサービスを作ったわけではなく、作ってみたら便利だったという需要創造モデル です。例えばの話、mixiが出る前に、現mixiのユーザーのうち何人が「こう、日記が書けて友達を登録して繋がることのできるサイトが欲しいなぁ」なんて考えたでしょうか?mixiが出てきて、周りの友人も少しずつ参加するようになってきて、初めて「あ、これ便利じゃね」と気づくものですよね。 このように「ニーズ」が先行しない分野については、従来のマーケティングがうまく行かない場合が多いと思います。そもそもニーズが無いのだから、存在しないものを分析できるわけがありません。では、こういった「芸術的プロダクション」を行い、企画・マネッジメントを随行していくのに必要な能力とは何なのでしょうか?自分としては、以下の3点が重要になってくるのではないか、と考えています。 1. 創造力 – 文字通り、新しいサービスや仕組み、作品を創造すること・考えることのできる能力。これを測るのは結構簡単で、ブレストしていて、アイデアの良し悪しに関わらずポンポンと意見が出て来る人はこの能力がけっこう高いと言えそうです。 2. 想像力 – (日本語で書くと同音異義語だけど、creativity と imaginationね)。そのサービス・仕組みがどの程度便利か、どの程度ユーザーを獲得できるか、を頭の中で的確にシミュレーションできる能力。この能力は、以下で言う「常識力」と、「論理的推論力」で成り立っていると思います。ブレストや企画のときに、「このアイデアだと、Aだと仮定するとBになるよね」とか「でもそのアイデアだとCという問題が発生する可能性がある」ということがポンポン言える人はこの能力が高い。 3. 常識力 – その業界・市場で人々が何を好み何を嬉しいと思うか、梅田さんの言う「不特定多数無限大」の存在を認知して分析・共感できる能力。「想像力」の的確なシミュレーションをするために必要。ポール・グレアムの言う「よい芸術」を見分ける能力、に近いかもしれないです。 最近、自分の関わっていたプロジェクトが1つポシャってしまったので、自戒も込めて、Webサービス作りについて改めて考えてみました。

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ネットワーク可視化ツール NetDraw

現在関わってるプロジェクトで、SNSの友人関係ネットワーク関係を可視化して確認する必要性が生じたので使ってみました。ネットワークを可視化して表示できるNetDrawです。 Download NetDraw social networks visualization package http://www.analytictech.com/downloadnd.htm 接続行列や、接続のリストを与えてやると画像のように表示してくれます。SNSの友人ネットワークに限らず、自然言語処理の単語のクラスタリングや、Webページのリンク解析等、ネットワークを可視化する機会は多いのでまた使ってみよう。 ざっと見たところ、簡単な解析機能も備えているらしく、分割・変形なども可能。あとは可視化で、MDSやバネモデルなどもクリック一発で計算して表示してくれれます。自分が3年前に頑張ってMDSを実装したのは何だったんだろう...。ただしあまり大規模なデータになると扱えないそうなので、あくまで簡単なチェック用として使ってみては。

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就職ジャーナル 8・9号

就職ジャーナル 8・9号 http://mag.recruit.co.jp/mag/cgi/Search_Result.cgi?shohin_group_cd=0001 を書店で見つけたのでどんなものかと思い読んでみました。 読んだ感じ、もちろん国内就職用、しかもどちらかというと商社・金融・マスコミとか文系向けな内容が多いように感じました。しかもリクナビの宣伝多し。そんなに宣伝しなくてもみんな使うと思うんだけどな...。ということで自分にとって役立つ情報は少なかったです。 思ったのは、特に新卒の就職活動っていうのは、まずこれやって、これ受けて、ここはこのぐらいのレベル、みたいな手順やノウハウなんかが口コミに留まらず本・雑誌・ネットに大量に溢れてて、今はもはや完全にルーチン化されているなぁということ。 そういう意味では受ける側としてはもう高校や大学受験の延長みたいな感じで(いい意味ラクに)進めていけるわけです。求職がこういうルーチン化した場合、もう極端なこと言えば友人と情報交換したり知人に聞いたりとがんばって情報収集しなくても、ネットの口コミやノウハウ本なんかで充分やっていけるんでしょう。そういう意味でもこういう「就活雑誌」の存在意義がよく分からない。大学生協でもあんまり売れてないように見えます。 少し役に立ったのは、「人事からの課題図書&DVDカタログ」という特集で、就職を始める学生や、内定をもらった後、就職前に業界のことを少しでも知っておきたい学生向けのマンガや書籍やDVDが紹介されてました。最近「業界モノ」のマンガや小説とかに飢えてる自分なので、ちょっと面白そうなのがあれば読んでみようかな。個人的には「金融もの」でなにかいいのがないかなと思ってます。「ナニワ金融道」「クロサギ」ぐらいは読んだけど、もう少し現代的で具体的なやつ。ないかなぁ。ちなみにこの特集、「IT業界」のところで紹介されてる本を見てげんなりしてしまったのだけれども...。

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ビジネス用SNS LinkedInを海外就職に生かす

ビジネス用特化SNS LinkedInをご存知でしょうか? mixiで言うところの「マイミク」関係を、network(日本で言うコネ・人脈)としてとらえ、そのnetworkの中で、連絡・紹介・求職・求人など、人やビジネスに関連する活動を可能にしたSNSで、シリコンバレーを中心に流行っているそうです。ここではLinkedInについて詳細に解説するのが目的ではないので、機能の詳細などについては以下の記事などを参考にしてもらえると良いかと思います。 シリコンバレーでは常識,850万人が使うビジネス特化SNS「LinkedIn」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20061223/257662/ さて、僕も登録しているこのLinkedInですが、日本人が海外就職する際に役立てることはできるでしょうか?端的に言うと、LinkedInで海外の職ゲットしちゃってウハウハ、みたいなことは起こりうるのでしょうか? 結論から言うと、鶏が先か卵が先かという話になっちゃいますが、これまで海外で働いた経験がある、もしくは海外にコネがある、というのでなければ、LinkedInを活用するのは難しいのではないか、と。 以下理由を書いてみたいと思います。 – そもそもネットワークを増やすのが難しい あなたの周りにそもそもLinkedInをやってる人はどのぐらいいるでしょうか? あなたのマイミクの中には? それで軽く十数人、数十人と見つかる人ならば、おそらく実績もあり、就職・転職には苦労しないでしょう。 ちなみに自分は最初2人でした(泣 ぼちぼち増やしていきたいと思います。先は長い... – コネと推薦に基づく採用だということ コネや推薦に基づかなければ、なにもLinkedInなんて使わなくても求人ができるわけです。求人を出してる方からすれば、その人の経歴や実績がプロフィールからすぐにわかり、玉石混淆の履歴書の中から選び出す手間が省けるというのがLinkedInの魅力なわけで、そうでなければ普通に履歴書送って応募するのと変わらないんでしょうね。 LinkedInで使えるコネや推薦を増やすためには、やはり鶏と卵の話になりますが、日本、理想的には海外で働いた実績が一番利いてくると思います。ただし、それじゃあいつまで経っても就職できないので、まずはインターンや日本法人などで実績を積んでみるのが吉かと思います。そこで実力が認められれば、そのままビザサポートで正社員、みたいな。無理かなぁ。 で、次の話。じゃあちょっと発想変えて、「LinkedInそのものに就職は可能か?」 SNSといえば、ネットワーク解析や自然言語処理などが応用可能な分野でもあり、自分もかなり興味があります。 ということでLinkedInの求人を見てみました。ここから、LinkedIn自体の検索機能を使って、ポジションをリストアップすることができます。 LinkedIn: Work at LinkedIn http://www.linkedin.com/static?key=jobs 興味がありそうなポジションをちらちら見てみます。普通の求人にも書いてありそうなこと(Job Description、Experience, Skills, etc.)に加えて、Additional Informationとして“Applicants with recommendations are preferred.”という文字が目に入ります。やっぱり。 “required”でないことがまだ救いですが。もちろん自分にはまだ推薦なんかありません。 さらにはその下に“Referrals through network preferred.”ともあって、やはりコネがあったほうが良いらしいです。この辺LinkedInならではの求人という感じですね。 … Continue reading

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海外就職に役立つ英語検定試験は?

「そんなものはどうやらなさそうだし、あったとしてもそれだけに精を出すのは割に合わない」というのが記事タイトルに対する答えです。以下理由。 海外就職ともなれば、当然、(たとえ英語力を要求されるポジションであっても)国内での就職や留学などよりも高い英語力を求められますよね。 求人情報などを見ていても、“requirement”として“good communicator”であることを挙げている場合が多くあり、「英語ができるのはもちろんのこと、高いコミュニケーション力を求めている」ということが感じられます。つまり、海外就職で、日本人向けならまだしも、本当に対等の条件で就職しようとすれば、英語なんか出来て当たりまえ、ということです。 これは日本の就職市場を見てみれば分かりますよね。「とりあえず日本語できます」という外国人が応募してきたはいいけど、どう聞いてもお国訛りがあるし、メールや文書などを書かせるとたまに表現がおかしかったりする。あなたが人事担当者なら雇いますか?雇ったところで、即、本国送還(赴任)がいいとこです。日本人が海外就職する場合もこれと同じことが言えそうです。 それでは、海外就職において、「これを持っていれば仕事におけるコミュニケーションに困らないことを証明できる」ような英語検定試験はあるのでしょうか?TOEIC?日系企業に就職するのでなければ、おそらく海外においては知名度が低すぎるでしょう。TOEFL?これは良い線行ってると思いますが、どちらかというと留学用です。内容もacademicに偏ってます。IELTSは用途限定ですし。 むしろ、どんな英語検定試験よりも、resumeに書くと有利だと感じてることは、例えば – 外国(英語圏)の大学・大学院を卒業している – 外国(英語圏)の企業での就労・インターン経験がある などがあれば、英語コミュニケーション力の証明としてよっぽど説得力がありそうです。もちろん、面接にてきっちりと話してそれを証明しなければならないですけど。 TOEIC930点を取った自分の経験からすると、「ある一定の英語レベル」を超えると、英語検定試験は勉強のモチベーションアップという目的以外、ほとんど役に立たないということが分かります。そして、その「ある一定の英語レベル」というのは、多くの英語学習者が思っている以上に、低いものだというものも分かります(「金持ちになって分かることは、金持ちにもいろんなレベルがあるということだ」という言葉を思い出します。「金持ち父さん」だったかな?)。端的に言うと、TOEIC9xx点でも、「仕事にてバリバリ話すには使い物にならない」ということです。ただし、日系企業や日本向けマーケットを担当する場合はこの限りではないかと思います。極端な場合英語が必要無い場合もありますからね。 最近個人的には、GMATやGRE、SATなどの、日本で言えばセンター試験的なものに注目してます。上の「ある一定以上の英語レベル」がきちんと計れるのではないかと思います。ただ、ここまできたら必要かどうかも分からない検定試験の勉強に精を出すよりは、実践で技術力やコミュニケーション力を鍛えたほうがよさそうです。ただ自分の場合TOEIC930を取ったのがもう3年も前のことになってしまったので、免許の更新という意味で今度の9月に受けてこようと思います。今の点数が維持できれば充分です。

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研究者のためのバイブル The Researcher’s Bible

海外の大学院の留学情報を探してネットでふらふらしてて偶然見つけた、大学院修士・博士レベルの学生に対する指南書。修士・博士論文を書いて学位を得るための、心構えと役立つアドバイスが書いてあります。もう少し早く見つけて読んでいれば研究生活に対する意気込みも少しは変わったかも...。 The Researcher’s Bible http://homepages.inf.ed.ac.uk/bundy/how-tos/resbible.html 以下、自分として参考になった(or 再認識させられた)点: Most students pick research goals which are far too ambitious. It is particularly easy in Informatics to underestimate the amount of work necessary to automate a task. 「タスク自動化のための作業量を甘く見るな」 – これと関連して、研究において「実装力」、ようするに基本的なコンピュータリテラシとかプログラミング能力って無視できないほどウエイトを占めてるよな、って思うことが最近多いです。理論を実装してみて「感覚で理解する」っていうことも大事。 Set aside a … Continue reading

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Amazon EC2を使ってみた

訳あって、研究のほうで膨大なマシンパワーを必要とする作業があって、研究室のウン百万円サーバーを1ヶ月間フル稼働させてもなかなか間に合わないといった状況で、正直困ってました。 そのときにふと思い出したのがこのサービス。Amazon EC2 (Amacon Elastic Computer Cloud)っていって、前から話は聞いてたんですが、要するにクラスタのノード(XenのゲストOSみたいなもん?)を1ノード1時間10セントで貸してくれるというものです。 Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) – Limited Beta http://www.amazon.com/gp/browse.html?node=201590011 で、使ってみた感想ですが、これなかなかいい! ベータ版だし、なんか妙に安いし(少なくともそう見える)、正直期待はしてなかったんですが、まずそこそこの速さが出たことに満足です。スペックが1.7Ghz x86 processor, 1.75GB of RAM, 160GB HDってなってて、そのへんの下手なVPSより全然快適。(実際、これまで借りたことある海外VPSのどれよりも速いとおもう。frippaで借りてるさくらの専用サーバーにはさすがにかなわないけど。レスポンス的な意味で。) あとは、名前にもあるとおり、”elastic”なことが大きいですね。マシンパワーが追加に必要だと思えばどんどんインスタンス追加すればいいし、必要なくなったやつは止めて眠らせとけばOK。イメージファイルに固めてAmazon S3っていうストレージサービスのほうに移しておける。使った分きっちりしか課金されないのでとってもフェアです。 CPUどれだけ使おうがきっかり時間で課金されるので、今回の目的みたいに、転送量少ないし、あとはずっとガリガリ計算するだけ、みたいな用途にもってこいです。もちろんWebサーバー立ててもいいとは思うけど、自分なんか学会前とかによく緊急の実験が立て込んできて、臨時でとにかくマシンパワーが欲しい!ってときになかなか使えるヤツです。今回は8個ぐらい借りて、研究室の8コアサーバーとあわせて16並列でできるからかなり助かります。 逆にアクセス数の少ないサイトとかをダラダラとホストし続けるという目的にはあんまり合ってないんじゃないかな。 ところで今回参考にしたページがこちら。色々「遅い」「時間かかる」って書いてあるけど全然そんなことなかったです。サインアップもすぐ、インスタンスの起動もすぐ、イメージファイルの作成も、どれも長くて数分ぐらいしかかかんなかった。中の人がんばってるなぁ。 Amazon WebサービスのEC2を使ってみた http://kokogiko.net/m/archives/001772.html そういえばSecond LifeもこのEC2を使ってるとかいう風の噂をどっかで読んだんですが(ソース紛失)、スペック的には使ってたとしても全然おかしくないかも。ああいう系の各CPUの独立度がけっこう高くて動的に規模が変化するようなサービスやるときには選択肢としてかなり有望だと思います。 ということでGoogleインターンに行ってあの巨大クラスタを走らせたとき以来のワクワク感に浸っております。こういうのGoogleが出してくれればいいのになぁ。

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はじめまして。管理人のmattonです。 このブログでは、進路に迷う博士課程の大学院生が「世界で一番アツい会社」を探して海外就職に奮闘するさまを記録していこうと思います。成功・失敗にかかわらず、同じような境遇の人にとっても、そうでない人にとっても、何かの参考になれば幸いです。

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