バイドゥ(百度)株式会社で働くR&Dエンジニアとして、世界一楽しい検索エンジンを作っています。情報系大学院生が、腕一本で「世界で一番アツい会社」に就職するまで&してからの記録。
17 5月
私事で恐縮だけど、我が弟がブログを始めたらしいので、ちょっと宣伝も兼ねて紹介してみる。
あなろぐ・らいふ - DUBSTEP/CLUB MUSIC総合情報ブログ
http://d.hatena.ne.jp/hagipon/
けいおん!効果で大人気のAKG K701を、もっと「こうおん!しつ」で楽しむ方法 [入門者向け]
http://d.hatena.ne.jp/hagipon/20090515/1242385781
今回はPC環境で音楽を再生する方を対象にした、AKG K701をより高音質で楽しむための方法の一部をご紹介したいと思います。
ということで、ついに、という感じである。正直な話、彼の音楽のセンス(と、オーディオ・バンド・DTM etc.も合わせた周辺知識)は自分の知る知人・友人・そしてヘタな「音楽評論家」を加えた中でも群を抜いていると思っていて、履歴書の趣味の欄に、本当の意味で堂々と「音楽鑑賞」と書けるレベルだと思う。(一方、ほとんどの人の「音楽鑑賞」は、履歴書の単なる穴埋め・ストップワードである)
こういった人にこそブログを書いて欲しいということで、「ネットで情報発信しようぜー」と一年ぐらい前から散々言っていたのだが、ついに重い腰を上げて始めたようだ(どうやら自分が twitter を始めたのにも影響されたらしい) 実家に帰るといつも、最近の音楽事情の情報交換会がすごい勢いで始まるのだが、こういう情報がネットで一般に公開されるというのはとても良いことだなーと思う。
こういう例って、まさしく
読まれる記事を書くために、文章技術よりもはるかに有効なこと
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20090512/p1
に書いてある、「(4)本屋とネットを探しても見つけられなかった情報を書く」にあたると思う。音楽に限らず、映画などの「レビュー・評論」いうのが、実のところ、作品そのものをレビューしてるようでいて、実は「作品にまつわるウンチク・関連情報」を語っているだけ、というのがけっこうあるが(それでいて、そういうのに限って面白いので、ついつい作品そのものを知った気になってしまう)、そういった意味で、純粋に音楽を楽しむための情報源として役に立つと思う。
そんな感じで、今日も Benga の 『Diary Of An Afro Warrior』を聞きながら、上海の地下鉄に揺られるのだった・・・。もちろん、イヤホンは去年から愛用しているAKGですよー
10 5月
始めたら絶対にハマると分かってたので、これまで約2年間確信犯的に(←誤用)近づかないでいたtwitterだけど、長期で海外にいる今こそアウトプットの必要性をひしひしと感じているのではじめてみました。ブログにするまでもない、くだらないネタや日記的なものを更新していこうと思う。
そうしたら自分が書く内容のほとんどがブログにするまでもないものであることに気づいたので、しばらくはそっち中心に更新していくかも。たぶん中国語の話が多いです。
しかし twitter がほとんどのブロガーの執筆欲を奪ってるっていうのは本当かもなー。twitter がなかったらブログ界はもっと良記事であふれるに違いない。(だらだらと雑談 or 独り言 を書きながらそれがアウトプットになってるっていうのは確かに良いかも)
7 5月
バイドゥ(百度)の上海研究開発センターにリロケーションして3週間経った。日本ではGW真っ盛りの週末、中国でも3.5連休(なぜ3.5連休かは後述)が取れてやっと少しゆっくりできたので、そろそろ上海でのエンジニア生活について書いてみる。
仕事について
中国側の社員は総じてみんな若い。上で3.5連休と書いたけど、実は中国の5月4日は青年節といって、28歳以下の社員はみんな半休がもらえる。上海オフィスで該当するのはマネージャ職2人を除く全員(自分も含む)らしいということで、その平均年齢の低さが分かる。でもみんなすごく優秀なのが、一緒に仕事をしているとすぐ分かる。
インターンが社員に混ざってバリバリ仕事をしているのは自分が行ったGoogleやMicrosoftと同じで、しばらく社員だと思ってたぐらい。インターンから正社員になる条件付き確率はここでもけっこう高い一方で、インターンの選考はかなり熾烈らしい。この時期、面接も随時行われていて、受付で待っている緊張した面持ちのインターン達とすれ違うと、少し応援したくなってくる。
雰囲気は、ベンチャーっぽい雰囲気の日本法人よりもさらにGoogleに近い。特に会議の雰囲気とか(でもこの辺はどっちかっていうとマネジメントの上手さによるものかも) Google(本社)の雰囲気は、どのベンチャーとも大企業とも一線を画していると思う。
言語について
英語・中国語・日本語が飛び交う社内は、自他ともに認める言語オタクとしてタマラナイ環境である。今、関わっているプロジェクトの共通言語は英語で、マネージャー級はもちろん、社内のエンジニアの英語力は総じて高いので、とても快適に仕事をさせてもらっている。下手したら、去年アメリカでインターンしていた時(上司が日本人)よりも英語しゃべってる割合はずっと高い。
でも、中国人同士で議論が白熱した時はやっぱり中国語に切り替わって自分はついて行けないし、このままでは快適に仕事が出来すぎて中国語が全然上達しないままリロケーション期間が終わって帰国する可能性がある。それじゃあなんかもったいないし、仕事以外の生活もあるので、とりあえずプライベートでは意地でも英語話さないようにしている(というか、そもそも街では英語がほとんど通じないのだけど)
日本でとりあえず中国語検定3級までは取っていって、中学卒業レベルの英語程度なら話せるのだけど、やっぱりそれじゃあ全然足りないので、語学学校や家庭教師等を同僚の助けで色々と探しているところ。上海で有名な巨大書店の上海書城や上海外文書店に行ってみたのだけど、中国語学習関連の書籍がこれでもか!というほど揃っていて、勉強するモチベーション的にも最高。これは英語圏で生活するよりも全然楽しいなー。
宿について
リロケーションして最初の2週間はホテル住まいをしながら仕事+アパートを探しつつ、その後引っ越しというスケジュールだった。来て数週間で、言葉も不十分なままアパート探しは大変だなぁと思っていたら、日本で言うマンスリーマンション的なものを会社側が手配してくれたのでその心配は無かったのだった。
実は近年の上海の不動産価格の上がり様は異常のようで、家賃も下手したら東京に肩を並べるぐらいなんじゃないかと思う(実際、東京の自分のアパートより高い)。去年のインターン時のMSRもそうだったが、なんだか待遇が良くてこっちが申し訳ないぐらい。
あと、上海で、宿について気をつけたいのが「騒音」の問題だと思う。上海万博に向けて(かどうか知らないが)上海は建設ラッシュで、町中のいたるところで道や建物を、夜中・休日構わず工事していて、出来るならなるべく上の階の部屋を借りたほうが良い。たとえるなら、市全体からずっと「ゴォー」という地鳴りがしている感じ。あと、同じ階でも高架道路の方に面しているかどうかでも全然違う。
食事について
普段は昼からさっそく同僚達とぐーるぐーる回る式の中華レストランに行っているのだけど、一人あたり20元(=約300円)も出せば美味しい中華がお腹いっぱい食べられる。上海の料理は中国各地の料理と比べても日本人の口にも合うようで(辛すぎず、油っこすぎず)、食事については文句の付けようがない。住んでるアパートのキッチンが、中国らしからぬショボさ(ただの電熱プレートに、100均で買ったかのようなフライパン)なのも、自炊するモチベーションを急激に下げている一因である。
もちろん、「地球の歩き方」系のガイドブックに載っている店に適当に行ってみてもそれなりに旨い。ただしこの場合、必ずしも安いとは限らないのでちょっと注意かも。
一人の時は、街角で、日本で言う肉まん(肉包)系を1個0.5元で買ったり、街角の拉麺屋(日本式ではない)に入ったりもするけど、これも10元(=約150円)以下でお腹いっぱい食べられる。味は店やメニューによりけりだけど、今のところボラれたり、変な病気になったりした事はないので大丈夫だとおもう。
あと、朝早くバイドゥのオフィスに行くと軽い朝食が無料で出る。あと、同じビルにある施設で卓球やビリヤードで遊べたり。この辺もなんだかGoogleっぽい。(どうでも良いが、中国語で「卓球」と言うとビリヤードのことである。自分も含めて、みんなビリヤードを英語で何と言うかよく分からないので、ここだけ中国語だったり。)
生活について
アパートは地下鉄2号線の静安寺駅から歩いてすぐのところにあって、ちょっとうるさいけど、同僚いわく「上海の新宿」と言うだけあって住むには超便利なスポットである。「久光」という日系デパート+スーパーもあって、ちょっと高いが何でも揃う。一駅行くと南京西路駅(こっちは雰囲気的に「上海の銀座」にちかい)、もう一駅行くと市の中心である人民公園駅で、他の主要な場所も乗り換えてどこでも行ける。
上海は下手したら東京よりも都会で何でもあって便利だし、車が無いと基本的に生活できないアメリカと違って、自転車と地下鉄、そして、タクシー(初乗りが約150円程度と、これがまた安い)でどこでも行けるのでずっとこっちのほうが好きだな。
他にも、自転車買った話、携帯無くしてまた買った話、観光行った話、「上海の秋葉原」徐家汇の話などいろいろあるけど、よく考えたら「ソフトウェアエンジニア」全く関係ないのでこの辺で。上海においでの際はぜひご一報ください~
11 4月
社会人1週目(正確には1週間と3日)も無事終わったので、ちょっと感想を書いてみる。
「1週間が始まったと思ったら、いつの間にか金曜日になっていた」感を味わったのは、Microsoft Researchでのインターンの時以来だと思う。その時は、「朝に相談した内容を昼に実装して夕方報告した後に夜に修正するとかいうペース」と書いたけど、研究のプロジェクトなんて、民間企業で働くことに比べたらまだまだ固定的で秩序立っていて粒度が荒いもんだなぁと感じる。
自分が所属するプロダクト事業部では毎朝(!)、企画会議が行われる。ここで全員が、今自分が担当していることの内容や、今日取り組む内容、問題点などをさらっと報告するのだけど、それは他の人たちが何やっているかを確認できたり、自分の頭の中を整理できたりするとても良い機会だと思う。それでも間に合わないぐらい、日中はやることの内容や優先度がどんどん変化していく。
3月までは、研究でやることをTO DOリストとしてPost-Itや手帳などにイチイチ書いて管理していたけど、TO DOリストを書いているヒマがあったら、仕事を片付けた方が早いので、それすらもしなくなった。TO DOリストは、来週締め切りの優先度の低い書類書きとかを備忘録的にメモしておくぐらい(NOT TO FORGETリスト?)。
たまにPC上のソフトやWebサービスなどで、優先順位付きの綺麗なTO DOリストを完璧に管理している(しようとしている)人がいるけど、講義ノートを色マーカーなどを使って完璧に取ろうとする学生と同じで、単にマメなのか、ヒマなのか、もしくはその両方なんだろうなと思う。
とにかく、小さい会社で、ビジネスが凄いスピードで回っているってこういうことなんだなー、と実感する。一言で言うと超楽しいので、学生のうちにこういった「ベンチャー的な環境で働く」ということを、いずれ大企業に就職を希望するにしても、アカデミックの道に進むことを希望するにしても、体験しておくのが良いかもしれない。自分は、前に友人とWebサービスを作ったりしてだいたい雰囲気は分かっていたので、それほど躊躇せずに挑戦することができた。実は、今の会社の雰囲気は、これまでにインターンや見学に行ったどの企業よりも、友人と3人で試行錯誤してWebサービスを作ってたときのあのワクワク感に限りなく近い。
ただし、インターン制度を提供できるような大企業では、既に業務が細分化されて秩序立っているところが多いし、インターンの課題も決まっていることも多々あるので、企業で働くというよりは学校で学ぶということに近いところがあって、なかなかそういう、ベンチャー的な雰囲気を学生のうちに体験できる機会が無いのが残念なところだけどね。
6 4月
週末第2弾はACL Student Research Workshop(SRW)の査読などをこなす。
これまでに、他の人の査読を論文読んでコメント書いたりして間接的に手伝ったことはあったのだけど、自分がちゃんと担当するのは初めて。自分がやっていることズバリな内容とは少し違ったので、関連する論文等を見直していたらだいぶ時間がかかってしまって締め切りギリギリとなる。
以前のEMNLP 2008や、小町さんの査読のまとめ記事などで聞いていたが、査読者として査読内容を投稿すると、他の人の査読内容(評価点+コメント)が名前付きで見ることができる(ここだけは「匿名」ではない)。つまり、その論文に対して誰がどんな評価・コメントを下したのかが分かる。これは、自分の評価観点の確認と、論点の見落としが無いかどうかなどの確認にとても有用なのだが、同時に研究者間の評判にダイレクトに響くので、うかつに不正確な評価はできず、これが査読の質を保つための一つの要因になっていて、なかなか良くできたしくみである。
このACL SRW、このワークショップの運営や査読を通じて、主に若手研究者から構成されるプログラム委員の査読スキルや運営スキルの向上も狙えて、とても良い制度だと思う(と前から機会あるごとに人に勧めている)。ただ、このワークショップに通るぐらいの論文が書ける人なら、ACLの本会議のほうに出しても採択される可能性が高いので、なかなか棲み分けは難しいところではあるけど・・・。
夜は、これまた会社も住まいもご近所の某社の某氏と食事など。アカウント名などについて語る。自然言語処理やってる人に「名前」について語らせると止まらないのは同じ分野にいる人なら分かってもらえるかと思う(大学ではよく研究ミーティングそっちのけで「名前ウンチク披露大会」になった 笑)。「姓@baidu.com」を(当然ながら)取れた自分は幸せで、こういう細かいことが、細部に神が宿ると信じるエンジニアのモチベーションにダイレクトに響くよね、というのが今日の結論だったり。
最後に、査読についての名言を贈ります。
『ともかく査読せよ。
もし君が良い論文に当たれば、幸福になるだろう。
もし君が悪い論文に当たれば、哲学者になるだろう』
— ソクラテスの名言より
実は今考えた。
5 4月
4/13からさっそく上海の長期出張に出ることが濃厚になってきたので、早速だけど(当分の)東京暮らし最初で最後の週末を満喫中です。
今日はお花見に誘われて2件ほどハシゴ。1件目は東大でお世話になっている研究員・先生方などとご一緒して、王子の飛鳥山公園あたりでお花見。王子の駅を下りたすぐに音無川とかいう川があって、桜の綺麗な風景が続く。駅からこんなすぐに桜の名所はあるし、王子は実に良いところだと思う(実は東大に就職したら住んでみたかった場所No. 1である)
2件目は、去年の夏に東京サイクリング・ツアーでお世話になって、その後色々と交流が続いているYukikoさんのお誘いで目黒川(自分のアパートから徒歩数分の桜の名所)で夜桜を楽しんでくる。自分が東京で住まいを見つけた後になって、偶然ご近所だったことが発覚して、なんだかご縁が深いなぁという感じ。
天気もあまり良くないので、川沿いにぶらぶら歩いた後、家にお呼ばれして、他のご近所の方々と一緒に美味しい食事をいただく。こういう「宅飲み」とはちょっと違ったホームパーティー的なもの、アメリカではけっこう呼ばれていたけど、日本でやるのもけっこう良いなぁと思う。
しかし中目黒は住めば住むほど良いとこだなー。特に自分みたいな男の一人暮らしにはもってこい。出張で長期間留守にするのは名残惜しいけど、また帰ってくる時を心待ちにして自然と仕事のモチベーションも上がる日々でした。
30 3月
やっと就活も一段落して、博士も無事取れたので、自分の就活体験について、「就活を始める前の自分に伝えたい、博士の就活のコツ」という形で書いてみる。同じ境遇にある人の参考になれば幸いです。
■ 情報収集フェーズ と 応募フェーズは分ける
まず大前提として、博士を出て就職しようという場合、大企業で博士新卒の枠に収まるのでなければ、「けものみち」就活は覚悟しなければいけないということ。それだけ、基本的なスキルに加え、枠にとらわれない柔軟性、積極性、対人能力が求められる。修士までの「レールの敷かれた」就活とはかなり事情が異なるので、ここでは梅田さんの言葉を借りて「けものみち」就活と呼んでみたい。
就活を始める前の自分に一つだけ最も大切なことを伝えられるとしたら、「まず情報収集を、早めに、徹底的にやっておく」ことをアドバイスするとおもう。情報収集といっても、企業のウェブを見たり、『就職四季報』を見たりといった表面的なことではなく(もちろんそれも大事だが)、実際に社員の人に会って話を聞いたり、オフィスの見学をしたり、可能ならばインターンのような形で働けるとベスト。
社員の方というのは、普通は自分の会社のことなら喜んで紹介してくれると思うので、気軽に「興味があるので話を聞きたい」とコンタクトしてみると良いと思う。もちろん、ただ単に話を聞くだけじゃ都合が良いだけので、自分からも提供できるネタを持って行くと良い(例えば研究紹介とかデモとか)
そもそもこのような情報収集は就活には必須だけど、さらに、「情報収集フェーズ」と「応募フェーズ」を分け、ある程度情報が出そろってから実際に受け始めることをオススメする。このためには、情報収集については、とにかく早く動き始める必要がある。博士を順調に3年で出られるとしたら、2年の半ばごろには回りに「就活してます」宣言して、「もう就活ですか、早いですね?」と言われるぐらいのタイミング。
なお、現在の経済状況がこんな有様なので、良いな~と思っていた企業(ポジション)に求人が無いなんてザラ。なおさら「情報収集フェーズを分ける」のは重要。
■ 「人、人、人」
不動産における三つの重要な要素は「場所、場所、場所」とはよく言われるが、「けものみち」就職活動に重要な三つの要素は間違い無く「人、人、人」である。就活において重要な情報はネットの上には無い場合が多いし、「チャンスは人に乗ってやってくる」という言葉(千葉智之『出逢いの大学』より)に加えて、自分としては「情報は人に乗ってやってくる」も付け加えたいと思う。
このためには、普段から人的ネットワークについてほんのちょっとだけ余分に意識すると良い。自分は(国内|国際)会議に参加するたびに「毎回、新しい知り合いを最低5人は作る」ことを目的に積極的に顔を出していたが、今のところコンスタントに(目標を上回るペースで)達成できており、そこで得られた恩恵は研究や就職に限らず計り知れない。もちろん、そのためには当該分野である程度の成果を上げることが必要条件だとおもう。
目標としては、応募したいと考えている全ての会社に対して、そこの社員の方と直接面識があるか、最低でも共通の知人1人の紹介で繋がれる、といったところを目指したい。
■ 精神面と身体面を鍛えておく
「けものみち」就活に限らず、就活は長丁場になりがちで、気を遣う面接や会社訪問の連続は、たとえうまく行っていたとしても精神的にもけっこう堪えるものがある。また、1社を受けるためのコスト(実際に訪問する時間に加え、企業研究や面接対策に費やす時間)は膨大なものになる。ただでさえ博士論文や研究で忙しい博士後半なので、時間的にもかなり厳しくなるのは覚悟すべき。このために、ストレスに負けない精神面と、体力的な身体面に注意しておきたい。
個人的には、「研究と全く関係無くて」「ある程度身体を使う」趣味を持つのがオススメ。スポーツとか楽器とか旅行とか。これは、博士の長い研究生活に対しても言えるけどね。
■ 応募する最適なタイミングを見極める
「就活で理想なのは、応募した会社全てから同時に内定が出ること」とMSRでインターンしていた時に同僚が言ってた。まず全てのオファーが出そろうまで待って、そこから最適なものを一つ選ぶそうな。新卒採用で無い限り、オファー(内定)の出るタイミングはなかなか予測できないし、内定の長期間のキープもほぼ不可能である。(ただし、面接のスケジュール調整をうまく使って、複数社の応募の進行具合を調整するという技もある)
そこで、複数社に応募する場合は特に、応募するタイミングと順番が重要になってくる(この件に関して自分はダメダメで、色んな人に多大な迷惑をかけたのだけど・・・)このとき参考になるのが、「最適停止の理論」というもので、これは例えば10社を順に受けるとき、どの会社から内定が出た段階で就活をストップすべきか、ということに関して確率的な最適解を与えてくれる。詳しくは以下のページ
を参照してほしいが、この最適戦略に従うと、平均で10社中上から2.55位ぐらいのところに入社できるそうな(期待値なので、実際は1位のとこに入れるかもしれないし、10位かもしれないが、平均的に。)もちろん、「それまでに内定の出た会社が魅力度という観点で完全にランク付けできる」という前提があるが、この前提がけっこうくせ者だったりして。
ちなみにこの理論、「10人の異性と順番に付き合うとして、何番目の人と結婚すべきか?」「10人の応募者を順に面接するとして、何番目の人を採用すべきか?」という問題にも応用できて、個人的にもこれは興味深いトピックだったり。。。
■ ネットをフル活用する
上で「人」が重要だと書いたけど、同時にネットをフル活用することも大事だとおもう。これは車の両輪のようなもので、両方そろってこそまさにパワーが発揮できる。
個人的な意見としては、ネットで就活のために自分のブランディングや広報を行うという場合、現時点でブログ以上に手軽で効果的なツールは無いと思っている。面白いブログを書いている人は、会ってもやはり面白い人である場合が多いし、こういう「ネット上の知名度」の重要性は今後増す一方だと思う。もちろん、面白いWebサービスやソフトウェアを作って公開するなど、知名度を上げる戦略はブログに限ったものではないが、その場合でもやはりブログぐらいは持っておいてほうが良い。
あと、最終的な決定に関しては寄与しなかったが、個人的にはLinkedInもかなりオススメ。登録してから、企業の人事部やヘッドハンターからオファー(応募のお誘い)を何件もいただいたし、こちらから企業の人にコンタクトする場合にもかなり使えるサービスである。
■ 洋書の就職本を読む
就活を始めてから、巷に溢れるいわゆる「就活本」の類をいくつか読んでみたのだけど、総じてレベルが低いと思った(もちろん、自分が単に良い本に当たらなかったという可能性もあるので、オススメの本をご存じの方はぜひコメント等で教えてください!)
そもそも、バイトの面接ならともかく、博士の「けものみち」就活に「就活本」が役立つと考える自分がそもそも間違っていたのだが、博士に限らず、例えば面接の「想定問答集」みたいなものを本気で買って練習している人が居るかと思うとちょっとゲンナリする。下でも詳しく書くが、本気で自分がその会社で働きたくて、かつその能力がある場合、スキルとして何を求められるのか、面接で何を聞かれるのかぐらいはだいたい想像が付くものだと思うのだけど。
一方、今回は洋書の「就職本」をいくつか読んでみたが、平均レベルは総じて高い傾向がある。前にも書いたが、就職本の「けものみち度」は、間違い無く海の向こうの方が上である(Amazonで「Job hunt」で検索するとぞろぞろ出てくる)。例えば、「気になる会社のリストを用意して、上から順に、片っ端から電話をかけろ」とかいう過激な?アドバイスもあって、それを愚直に実行するかどうかはともかくとしても、色々と開眼することがあるかと思う。
この記事で紹介した
の他にも、個人的に激しくオススメしたいのが、
で、これは近年、ソフトウェアエンジニア等を採用する際にポピュラーになりつつある「プログラミング面接」についてのほぼ唯一とも言える対策本である。他の分野には関係無いと思うが、ソフトウェアに関連する職を受ける、もしくは面接する予定の人には必読の書だとおもっている。(プログラミング面接対策についてはまた改めて書く)
■ 採用というシステムをメタ視点で考える
「もし自分が会社の人事なら、この会社のこういう状況を考えると、こういうようような採用試験を課して、こういうことができる、こういう人を採る」というように、採用システムをメタに考えることができれば、上に書いたように「○○社の面接では、どんなふうに答えれば通りますか?」というマヌケな質問をしなくて済む。そういう意味で、「就活生は、イタすぎる」と斬ってくれた就活のバカヤローはかなり痛快だった(ただし、この本が就活そのものに役に立つかどうかは疑問である)。
さらにメタ度を上げていくと、会社にとって結局「人=カネ」なので、会社のカネの流れ、ひいては経済の流れにまで行き着くので、早い段階からそういう情報に敏感になっておく必要がある。もっとも、こういった類の「メタ視点」は、就職に限らず自分がその会社で働くことになってからも重要であるのは言うまでもない。
■ 自分探し、大いに結構
これまた前にも書いたが、就活と恋愛はとても良く似ている(そのせいで「婚活」なる言葉が生まれたのだが)。真剣に恋愛するとびっくりすることの一つが、相手を通じて、否が応でも「自分」という人間がありありと浮き彫りにされること。
これは就職に関しても同じで、よく就職するに当たっては、「自己分析」が大切、と言われるが、「自分」なんてものは机にじっと座って、「自己分析シート」を前にしてウンウンうなっていても分析できるものでも無く、相手に対して真剣にぶつかって、それに対する自分の反応を見た上で初めて徐々に分かってくるようなものだと思う。
そういった意味で、異性と付き合っていくうちに、「相手に対してゆずれない物」の優先順位が徐々に変化するのと同じように、就活中に、「会社に重視すること」などの視点が変わってくるのは大いにあり得るし、むしろそれ自体が就活の大きな成果だと思う。
実際、就活中にその会社のことを知る良い方法の一つは、実際に採用試験を受けてみることである。面接の担当者が魅力的ではなかったり、技術職採用なのにどうでも良い質問(「自分を動物に例えると何ですか?」みたいなの)ばかりされたりして、採用試験を受けているその場から会社に対するイメージが変わっていくこともある。こういう「違和感」みたいなものは入社後にさらに増幅する可能性が高いので大切にしたい。
なので、個人的には就活を通じた「自分探し」というのは大いに結構で、というか、そういった「自分の価値観のrefinement」自体も含めて、就活の大事なプロセスである気がする。
ただし、そもそも就職活動に限らないけど、選択にあたって自分の譲れない「軸」を持っておくことは重要だと思う。なんだか、だんだんと自己啓発本みたいなノリになってきたけど、自分の場合、
1.「迷ったら、人と違う方を選ぶ」
2.「迷ったら、得しそう、ではなく、楽しそう、を選ぶ」
3.「迷ったら、より難しそう(チャレンジング)な方を選ぶ」
という基本的な3つの行動指針があって、就活中に(というか人生全般で)迷った時にはいつもこのことを意識していた。これらは何も自分のオリジナルではなく、
1.は渡辺千賀著『ヒューマン2.0』
2.は大村あつし著『人生は数式で考えるとうまくいく』
3.はポール グレアム著『ハッカーと画家』
からそれぞれ共感した「指針」をつまみ食いしたものである。上で「会社を魅力度でランキングすること自体が難しい」ということを書いたが、迷ったときは行動指針に合わせて「どちらかより指針に合っているか」で判断すると楽になることが多い。
なお、このブログでも繰り返しオススメしているが、今では「インターン」という「会社で給料をもらいながらお試しで働いてみる」、恋愛の例えで言うと「異性と付き合う前に一夜を共にできる(?)」という素晴らしいシステムがある。日本ではまだまだちゃんとしたインターン制度を提供している企業は少ないけど、「その会社のことを知る」という点でインターン以上に良い方法は無いと思っている。
■ そんなこんなで
友人・知人にはある程度伝えたけど、4月からバイドゥ(百度)株式会社のR&Dエンジニアとしてはたらくことになりました。いろいろと紆余曲折があったけど、上の指針に照らして、単純に「最も人と違って、最も楽しそうで、最もチャレンジングな」ところを選べたと思う。ちなみに最初の勤務地は上海のR&Dセンターの予定。今からワクワクしてます。
なお、就活にあたっては、指導教官のT先生、mamorukさん、sassanoさんをはじめ、多くの方々のお世話になりました。どうもありがとうございました。
ちなみに、もともとこのブログ、「海外就職記」という名前で始めたものだった。海外で就職したいけど、どうやって就活したら良いかわからない!ということで、それなら自分の就職自体をネタにして、ブログで報告したりフィードバックをもらったりしたら良いのでは?と考えたのがきっかけ。
結局、夏にアメリカに3ヶ月インターンに行って、「海外で仕事したい欲」がある程度満たされてしまったことに加え、自分が目指していたのは、「海外で働くこと」ではなく、「人と違う(交換不可能な)環境で働く」ことだったと分かった。加えて、ブログで就活の過程を公開すること自体、けっこうデリケートな話なども含むし、なんとなく品の良いことではないような感じがしたので、普通の個人ブログになっていたが、今ならこうやって書けるので、本来の目的達成してやったり、という感じである。(しかも、フタを開けてみたら、実際海外で働くことになって自分でもびっくりしていたり!)
27 3月
25日は名古屋大学の卒業式。博士課程の3年次は特に色々あったけど無事博士号を頂くことができました。これも研究室の先生方をはじめ、5年以上に渡る研究生活を支えて下さった全ての方々のお力添えのおかげです。色々とお世話になりました。
3月は、引っ越しに出張x2と、色々な人との出会い+別れ(+飲み)で、怒濤のように日々が過ぎていってしまいました。引っ越しも落ち着き、今日から1週間弱は東京で暮らしてますので関東圏のひとはよろしく!
写真は最後に研究室のメンバーでパチリ。顔出しNGの人は言ってください(事後報告)
19 3月
(写真:香港大学から見た高層アパート群と、ヴィクトリア・ピークからの夜景)
週末から今日にかけて、研究室で参加している
日本法令翻訳プロジェクト
http://www.kl.i.is.nagoya-u.ac.jp/told/
の関係で香港大学を訪問していました。
自分は法律文に統計的自然言語処理を適用する話について研究紹介。基本的には、去年の夏に参加した、法律情報学の国際ワークショップJURISIN 2008で発表した内容と同じ。前にも書いたけど、日本の法律文というのは定型性が高いので、自然言語処理の分野で提案された統計的手法などを適用したら嬉しいよね、という話。
もう一つの研究紹介は、小川先生のBilingual KWICで、単語のアラインメントをさせながらパラレルコーパスをKWIC形式で検索できるツールである。KWICとアラインメントという、どちらもそれ単体では既に枯れた技術だが、それを組み合わせるとものすごく便利になるよ、という話の好例だと思う。
この「対応単語がわかるパラレルコーパス検索エンジン」、shimaさんのブログのエントリ:
外国語学習に役立つ、対応単語がわかるパラレルコーパス検索エンジン「LINEAR B」
http://w-it.jp/shima/2009/03/linear_b.html
には、「どなたか英語<–>日本語あたりで似たようなシステムを作ってみてはいかがでしょう?」とあるが、既にここにあるよ~!ということで紹介してみました。
この「Bilingual KWIC」、今コーパスとしては法律文が入っているが、一般のパラレルコーパスを入れて英語学習者向けに公開したらウケるのは間違いない。法律関係の用語にはめっぽう強く、例えば「証券会社」と入れるとちゃんと「securities corporation」「securities company」といった訳語を推定してくれて賢い。
香港について
今回、香港に行ったのは初めてだったけど、歴史的経緯のせいで、英語、広東語、標準中国語(普通話)が街中に飛び交う、なかなかマルチリンガルな地域である。それだけで自他ともに認める自分のような「語学マニア」にはたまらない。たとえば、地下鉄のアナウンスは、広東語、普通話、英語の順に3言語で同じ内容を言うのでなんだか長ったらしくて騒がしいが、聞いてみると単に「列車とホームの隙間にご注意ください」ぐらいしか言っていなかったりする。
そのためあって、法律の言語関係は色々大変とのことで、カナダ(英語+フランス語)と同様に中国語と英語で、最初からパラレルに法律が書かれるそうな。
英語の通用範囲はかなり広いし、標準中国語もけっこう通じるようだし(拙いフレーズを買い物するときに少し使ってみたが、こっちのほうが地元の店の人には通用するみたい)、何より書いてあるのが繁体字なので、標準中国語で使われる簡体字よりも日本人に優しいというのが良い。アジアの典型的な(カオスな)町並みと近代的なビル群が混ざったような風景は面白いし、言葉の関係もあって海外旅行初心者には良い目的地だと思う(あと料理がホントおいしい!)。そのためあって、空港まで迎えに来てくれた弟夫婦に激しくオススメしておいた。
17 3月
週末から今日にかけて、研究室で参加している
日本法令翻訳プロジェクト
http://www.kl.i.is.nagoya-u.ac.jp/told/
の関係で香港大学を訪問していました。自分は法律文に統計的自然言語処理を適用する話について研究紹介。
また詳細はあとで書きます。(溜まったメールも返信します。。。)